花茣蓙ができるまでには、多くの人がたずさわります。
い草をつくる人、選別する人、運ぶ人、柄をつくる人、染める人、糸をまく人、織る人、織機を修理する人、樹脂をする人、縫う人。多くの人の手を渡りつくられるのが花茣蓙。
全ての方に感謝をこめて。
Step.01
デザイン設計とデータ作成
形や色など、全体イメージを表現したデザインを設計し、花茣蓙の図案作製会社に依頼。い草と糸を編み込んで織る花茣蓙は糸織物とは全く異なる為、い草の性質を踏まえ、織機にセットするデータを作製します。縦糸の数や使用するい草の長さによって織機の仕様が大幅に異なる為、織機仕様書も合わせて作製。
Step.02
い草を染色
今現在、福岡県で3件となった染色工房にて染色を行います。各社得意な色があるので状況に応じて依頼。回転釜に約300Lの水と染料を入れ、沸騰させ、焚き込みと蒸し上げを約20分繰り返し行います。その後、8時間ほど乾燥機にかけます。1回で約10kgの染色が可能です。
Step.03
加湿
織機にい草をセットする前に水分を含ませます。い草の中心部はスポンジに似た繊維でできています。水分を含ませる事で、表皮が柔らかくなり、より粘り気が増し、織機で織り込む際にい草が折れにくくなります。
Step.04
選別
い草を手作業で一本ずつ選別。い草は単子葉植物イグサ科の植物の為、折れている物があれば枯れている物もあります。それらを人の目で一本ずつ確認し、良質ない草のみに選り分けます。
Step.05
裁断
織り幅に合ったサイズにい草を裁断。弊社では、本間(幅95.5cm)、江戸間(幅87cm)、ザブトン(幅70cm)と3サイズの花茣蓙を織っています。各々のサイズより約10cm長く裁断し、織機にセットします。
Step.06
織機にて生産
織込花筵織機にデータ読み込ませ、厚さの調整ギア(キ数)を仕様書通りにセットします。最後に糸が正確に地〆(ぢしめ)にかかるように試運転を行います。地〆のかかり具合を調整してから生産スタート。回転数は約100rpm、織機1台の1日の生産量は約畳10枚分(約18m)ほどです。
Step.07
仕上げ・品質チェック
花茣蓙生産で最も重要な工程。い草は工業製品とは違い、田んぼで栽培された農作物のため1本1本が不均一。全て人の目で確認し手作業にて仕上げを行います。い草の飛込みや途中切れを千枚通しや糸切鋏を使って補修。馬毛のブラシでブラッシングし、余分な染土を落として光沢を出します。
Step.08
乾燥
織る前にい草に水分を含ませたので、織り上がった花茣蓙は水分を含んでいます。裏面を半日ほど天日干して乾燥します。表面を天日干しすると紫外線で日焼けをおこしますので、必ず裏面を干します。